我が家は二世帯住宅です。既存の住宅に、オール注文でもうひとつコンパクトな家を建て、渡り廊下でふたつの家をつなげたかたちです。いろいろなカタログを取り寄せて、ああでもないこうでもないと毎晩考えて、話し合って、何度私たち夫婦と両親とで集まったことか。ずいぶん時間をかけて考えた家ですが、イメージと現実は違っていて、あれ?という部分もありました。二世帯を考える方へのアドバイスは、共有できることは共有しよう、という1点です。
我が家の場合、もともと大きな風呂があり、みんなで使っても困らないものでした。それなのに、若夫婦が遅くに帰ってきて風呂を使うと両親に迷惑がかかる。という考えから、注文住宅のほうにシャワールームをとりつけました。なかなか高額で、1年目の夏場は良かったのですがやはり冬はお風呂に浸かりたい。掃除も余計な手間。こどもが生まれたらますます足が遠のいて、今では高価なシャワールームは開かずの間になっています。これは最大の後悔です。キッチンに関しても、もともと大きなシステムキッチンがあるのに新しい家にも立派なシステムキッチンを設置。数年後、年老いた親はあまりキッチンを使わなくなりました。こんなことなら、ひとつは小さめのキッチンにしておけば良かったです。人間はいつか老います。いつまでも二世帯の両方が現役ではないということに考えを巡らせると、二世帯住宅のあり方が見えてくると思います。せっかく一緒に暮らすのだから、共有できるものは共有して、支え合って協力しあう家づくりをおすすめします。これは良かった!と感じているのは屋根付きのウッドデッキ。ふたつの家がコの字型に建っているので、その間に設置しました。お互いのはきだし窓から出入りでき、普段はここに洗濯物を干しています。休日はここでバーベキューをすることも。ウッドデッキで朝会っておはよう!とあいさつしたり、ささやかな交流空間になるのでおすすめです。
二世帯で楽しみながらお互いを支え合い、思いやれる家。不満がないわけではないですが、それでも本当に幸せな毎日です。