動線のスムーズさは暮らしやすさ

マイホーム購入は人生最大の買い物といわれています。大きな金額の買い物となる住宅だけに後悔や失敗はできれば避けておきたいものです。そこで、誰もが暮らしやすい住まいだと実感できるようにするためには、どのような点に注目しておかないといけないのでしょうか。

それは、住居内の移動のしやすさがポイントといえます。例えば、帰宅時の動線を考えてみましょう。子どもが小さいと外で遊び泥だらけになって帰宅することもあります。夏はお庭でプール遊びをしてびしょ濡れになったり、成長すれば部活で汗や砂まみれで帰宅することもあります。これは子どもだけにいえることではなく、大人でも急な雨でびしょ濡れになって帰宅することもあります。このような場合、玄関へ入り、廊下を抜け、そのままリビングへ入ってくると、せっかくお掃除をしたこれらの空間が濡れたり、汚れてしまい再びお掃除をしなければなりません。そこで、玄関から直接洗面・脱衣室へ直行できる泥んこ動線を設け、住居内を汚すことなく、スムーズに浴室で汚れを落とせるようにしておくのはいかがでしょうか。

玄関の横にはシューズクローゼットが設けられ間取りが多いです。このシューズクローゼットには単に靴や傘を収めておくだけでなく、屋外で使用するおもちゃや工具、部活道具、さらにはアウトドア用品まで収められる収納力の高いシューズクローゼットにしておきます。帰宅時は屋外で使用した物をここにしまい、そして履いていた靴をしまい、そのまま泥んこ動線を利用し、浴室へ直行します。これなら室内を一切汚すことなく、浴室で汚れを落とすことができ、また玄関部分に靴や屋外で使用した物がいつまでも散らかる状況も避けられます。お掃除の手間の軽減につなげられます。濡れたり汚れた時だけでなく、この動線を利用することで帰宅すると同時に手洗いうがいも行え、感染症対策としても有効です。新型コロナウィルス感染症が拡大する中においては、手洗いうがいの重要性が改めて再認識されています。この泥んこ動線を利用することで帰宅すると同時に手洗いうがいも行え、家族の集まるリビングに菌を持ち込みにくく衛生的であるともいえます。

このように動線のスムーズさを意識した間取りにすることで、美しい住まいを保ちやすく、子どもでも自然と手洗いうがいの習慣が身に着けられ、感染症対策にもつながり今の住まいに求められることではないでしょうか。泥んこ動線上にはウォークスルークローゼットを設け、上着やいつも持ち歩くカバンなどを収められるようにしておくことで、身軽な状態で手洗いうがいが行えますし、外出時も身だしなみを整えると同時にスムーズに出かけられます。スムーズな動線を意識することこそが暮らしやすさにつながるといえるのです。