注文住宅一戸建ての家づくりで、満足する家を作りたいというのは、それに携わる人であればだれでも願うことですが、ある程度の満足を得ることができたとしても、100％完璧な家づくりができたという達成感はなかなか得ることができません。家づくりをイメージし、理想を追い求めても、その時にはよしと思ってみたものの、いざ住んでみると”やはりこうしておけばよかった”とか”そこまで気がつかなかった”という思いになるものです。実際にその家に住んでみないとわからないことは多く、幾つかの点で、いまひとつだったという部分が見つかるのは仕方がないことです。それに、多くの人にとって、家づくりは一生に一度であり、2回目はなかなかないので、その最初の家づくりで失敗なしという完成度を求めるのは難しいのです。
それで、そうしたことを理解した上で家づくりをすれば、多少の失敗は受け入れやすく、仮に幾つかの”こうしておけばよかった”という点が見つかったとしても、あまり落ち込まずに、仕方がないと思えるものです。
とはいえ、できるだけそうした部分が少なくなるようにしたいものですが、その点で取り組めるのは収納です。収納は、多い方がすっきりと物を収納できるため、満足度が高いと思いがちですが、実際にはそうでもありません。収納があり過ぎても、そこに入れるものがなくて、遊ばせてしまうことになりますし、奥行のある収納にすると、物を取り出しにくくなります。高い部分にそうしたスペースを作っても、実際には取り出すのが面倒で、そこに入れなくなるでしょう。
それで適度な収納を作るのにとても頭を悩ませます。どのくらいが適度なのかがわかりにくいですし、物というのは増えることもあれば減ることもあるので、実際にどのくらいの物を持つことになるのか、イメージするのは容易ではありません。とはいえ、部屋の中に、物入れの家具などを置く必要が生じるようなことはできるだけ避けたいため、知恵を絞り、適度なストレージを作りたいものです。